「レイン、お前料理が作れるんだな」
「は？」
「シャンタオに聞いた。中々に上手いそうじゃないか」
「そうか？――って、何かヤな予感しかしねェんだけど」
「俺にも何か作ってくれないか？」
「嫌だ。断る」
「即答か」
「何で俺がテメエに料理作んなきゃなんねーんだよ」
「好きな相手の手料理は、一度は口にしたいと思って当然だろう」
「好…ッ！？テ、テメェ！！だからそーゆーこと口にすんなって言ってんだろッ！！！」
「何を怒る？」
「何をってオマエな…」
「それで、作ってくれないのか？」
「嫌だっつってんだろ」
「何故だ」
「めんどい。あと包丁嫌いだ。危ない」
「クルーガーを扱っている人間が…」
「それはもうノワールに言われた」
「簡単なものでもいいんだぞ？」
「嫌だっつーの！！大体俺の手料理って、お前も食ったじゃん」
「…記憶にないが？」
「お前と一緒に作っただろ」
「あれは違うだろうッ！！？大体先生が読み間違えをしたせいで酷い目にあったんだぞ！！」
「手料理に間違いはないだろ」
「…お前、道端の草を食べた気分だと言っていなかったか？」
「………」
「レイン」
「何でそんなに食いたいわけ？」
「さっきも言ったと思うが、好きな――」
「ストップ！！」
「何故止める？それと、ノワールやシャンタオだけならまだしも、先生まで食べているのに
俺だけが食べていないということに納得いっていない」
「どんな理由だよ」
「充分すぎる理由だと思うが」
「俺は作りたくないっつてんだろ」
「そうかもしれんが、俺は食べてみたい」
「包丁嫌いだ」
「指を切ったら俺が手当てしよう」
「切らねーよッ！！使いたくねーって言ってんだろ！！？」
「レイン、なら賭けをしないか？」
「カードならしねｪぞ。テメエ勝つ気満々じゃねーかッ！！どーせ俺はシャンタオにも負けたもんなッ！！」
「……チッ」
「『チッ』って言ったなテメエ！！」


「･･･レイン、どうしても駄目か？」
「……わかった」
「え？」
「そんなに言うんなら作ってやってもいーぜ」
「！」
「そんかわり、イヤだって言ってるのに無理矢理料理させられた俺は、超不機嫌ＭＡＸでお前とは口も聞かねーし、
お前の知らない新しい部屋に当分篭る」
「な…ッ！？」
「それと、だ」
「？」
「さっき適当に買ってきたレトルトあっためて、不機嫌じゃない俺とそれを食う――どっちか選べ」
「レイン、それは…ッ」
「――ただし、レトルトの方はオマケつき」
「え？」
「とっとと食ったらその後、一緒に風呂入ってやるよ」
「――――！？」
「んで上がったらベッドに直行」
「ッ！？！？」
「此処角部屋だし、隣入居してないから声抑える必要もねェんだよな」
「〜〜〜〜〜〜ッ！！！」
「んで？どっち？」
「レッ、レイン…ッ！？一体どうし――」
「なんだよ？俺がそんな気分になったら変だっつーの？」
「いや、その――予想外過ぎて、だから、」
「――で？」
「………………レトルトを食べよう」
「ん。じゃあお前温めろよ」
「…………」
「ナイヴス？」
「……レイン」
「何だよ？」
「…その…後で何でも食べたいものを奢るから――」
「……奢るから？」
「その…先に…」
「…俺、腹減ってんだけど」
「…駄目、か？」
「……野菜食えとか言わね？」
「言わない」
「甘いモンばっか食うなとかも？」
「言わん」
「…どんだけ切羽詰まってんのお前」
「…正直ギリギリだ。お前が悪い」
「ふ〜ん、俺が、ねぇ…」
「そうだ」
「――じゃ、責任取ってやるよ」
「！！」
「約束忘れんなよ」
「勿論だ」




終

激甘（笑）。たまにはレインからお誘いしてみました。
レインが料理してる姿可愛いだろうなぁ…(*´▽｀*)
包丁たどたどしく使ってたら尚萌え！！　




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