リクエスト@『ナイヴスが幸せなナイヴス×レイン』   らいる



ドカドカドカドカッ――ガチャッ!!バタンッ!!!


「ん?」
「なんだい、騒がしいね?」


ドスッドスッドスッドスッ――バンッ!!


「なんだ、レインじゃないか。どうしたんだい?」
「ちょっと、レインにーちゃん静かに歩いてよッ!!此処、ボロなんだから響くでしょッ!」
「シャンタオ、ボロは酷いよ」
「買い物ありがとう。売り切れとかなかった?」
「―――――」


ドサドサッ!!
バサッ!!
ドンッ!!!



「ちょッ!?乱暴に置かないでよッ!!割れ物だって入ってるんだよ!!?」
「レイン?」
「―――――」

「どうしたのさ?何かあったの??」
「――――ッ」
「あッ、ちょっと、レイン??」



ドスドスドスッ――バンッ!!!
ドスドスドスドスッ!!

―――――バタンッ!!!


「………なに、今の??」
「………さあ??」


パタパタパタ――カチャッ


「た、ただいま…ッ!」
「あ、ノワールねーちゃん」
「やあノワール。お帰り…って、ノワールはレインと一緒に買い物に行ってたんだよね??」
「う、うん」
「ちょッ!!?なんなのッ!?レインってばノワールねーちゃん置き去りにして、途中で帰って来ちゃったわけッ!?」
「なんだってッ!!?」
「えッ!?あッ、待って!買い物は全部終わってたし、荷物は全部レインが持ってくれてたから――」
「――そうなの?」
「うん」
「それにしても君を置いて一人で戻ってきていたじゃないか。全くどうしようもない子だね。お仕置きが必要なようだ」
「えッ!?だ、駄目」
「え〜?なんで?女の子を置いていくなんて信じらんないよ?」
「そうだよノワール。庇わなくていいからね」
「でも駄目…ッ!レインはちゃんと言われた通りの買い物もしたし、荷物も全部持って来てくれたんだから…」
「…ノワールねーちゃんがいいって言うならいいけど…」
「ノワールは優しいね。それに比べてレインときたら――」
「クリムソン、レインに何かしたら駄目」
「―――…わかったよ」


「――で、レインにーちゃん何があったの?」

「うん…それがよくわからなくて…」
「買い物に行く前は普通だったよね?」
「うん。買い物をしている最中もいつもと変わらなかったよ」
「お店の人に腹立つ態度をとられたとか?」
「ううん、そんなことなかった。レインも結構楽しそうだったし」
「歩いている最中に、因縁つけられたりとか?」
「昼間だしお店通りだから、性質の悪そうな人はいなかったよ」
「荷物が重すぎた?…実は結構重いものばっかり頼んでたりしたんだけど…」
「それも違うと思う。普通の顔して持ってたし、手伝おうとしたら『これくらい平気だ』って笑ってた」
「う〜ん?じゃあなんであんな風になったんだろうね?」
「…………」
「ねーちゃん?」
「…思い当たるのは、帰り道で見つけた露店くらいなんだけど…」
「露店?」
「うん。手作りのアクセサリーとか売ってた。綺麗なのがいっぱいあって、レインから『見ていくか』って言って――」
「あーそう言えば、あそこの通りってよくフリーマーケットとかやってるよね」
「そうなの?私は初めて見たけど…色んなのがあって、どれも綺麗で素敵だなって思った」
「今度私が買ってあげるよ、ノワール〜〜ッ!!」
「はいはいはいはい!!脱線しないッ!!」

「え、えとね、それでレインも『何か欲しいのか?』って聞いてくれて――」
「――チッ!!」
「やきもち妬かないでよ」

「?」
「あ、気にしなくていいから続けて続けて」
「う、うん――それで、私は見てるだけでも楽しいからって答えて、レインもそうだなって言ってくれて、暫く眺めてたら…」
「眺めてたら?」
「よくわからないけど――最初はレイン、優しい顔してたのに、急に険しくなって、帰る!!って」
「?」
「?」
「うん、私もよくわからない。でもその後、物凄いスピードで歩いて行っちゃって…追いつくのがやっとだったから、

レインがどうして豹変したのか聞けなかった」
「…わけがわかんないね」
「うん…」
「アクセサリーで気に入らないデザインがあったとか?」
「いくらなんでもそんなことくらいで、あんなに不機嫌マックスになって、帰ってこないでしょ」
「そうだよねえ」

「どうしたのかな?」
「う〜〜ん???」
「わからないねえ…」







「――それでレインがいないのか…」
「うん。夕飯だよって呼びに行っても返事なし」
「何回か声をかけてみたんだけど…」
「うんともすんともなしでね」
「一度シャンタオが部屋の中に入ってみたんだけど」
「毛布に包まってミノムシ状態。引っ張ってもなにしても、全ッ然動かなくて言葉も一切なし」
「…一体何をしたんだアイツは…」
「さあ?わかんないから放っておくことにしたよ」
「お腹すいてないかな?」
「どうしても減ったら出てくるでしょ。よっぽどのことがあったんじゃないかな?レインがあんなになるのって初めて見たよ」
「…大丈夫かな?」
「――子供じゃないんだから大丈夫だろう。食事が終わったら俺が様子を見てこよう」
「そうしてくれる?ナイヴスにーちゃんになら何か話してくれるかもよ。ついでに軽く摘める物作るから持ってって」
「食べたいのならこっちにくるだろう?」
「食べたいよりも部屋から出たくないの方が強いみたいだから、無理だろうね。
レインは一食でも抜いたらすぐに体重減りそうだから、無理矢理にでも食べさせてやってくれないかな?
これ以上痩せるなって何度も言ってるんだけどねえ…」

「…わかりました。――先生は…レインの体重をそんなに気にしているんですか?」
「コラコラ、やきもちは止めてくれるかな?医者としての意見だからね」
「ナイヴスにーちゃん…わかりやすいよ」

「そ、そんなつもりは…ッ」
「とにかく、なんとなく私達も落ち着かないから原因がわかるようだったら聞いてみて」
「よろしくね」

「ナイヴス、頑張って」
「あ、ああ」







コンコン

「レイン、起きているか?」

………………

「レイン?」

………………

「―――ハァ…入るぞ?」


カチャ…

「―――――これは…(確かにミノムシだ…)」
「―――――」
「レイン、食事を持ってきた。食べられるか?」
「―――――」
「…起きているんだろう?気配でわかる」
「―――――」
「レイン、一体何があったんだ?皆心配しているぞ?」
「―――――」
「レイン」
「―――――」
「レーイーンー」
「―――――」
「……全く――捲るぞ」
「―――――ッッ!!」

ベリッ

「―――ッ!何しやがるッ!!離せこの馬鹿力ッッ!!!」
「やっぱり起きているじゃないか。――ん?顔が――」
「うるせぇッ!!返せこのアホッ!!」
「アホとはなんだ。いいから起きろ」
「触んなッ!!!」
「ッ、こら、暴れるな」
「いいから返せッ!!んで出てけッッ!!!」
「うわッ!?」

バッ!!――ゴソゴソゴソゴソ…

「………レイン」

「――――――」
「全くお前ときたら…何があったんだ?顔が真っ赤だったぞ?もしかして熱があるのか?」
「赤くねぇッ!!ほっとけッ!!出てけッ!!喋んなッ!!!」
「一度に言うな。放ってもおかんし、原因がわかるまで出てもいかない」
「――――ッ」
「そして黙らない」
「――――ッ!!」
「レイン――何があった?」
「―――――」
「俺にも話せないことなのか?」
「―――…出てけ」
「出て行かないと言っただろう。お前が心配なんだ」
「………余計なお世話だ」
「そうなのかもしれないが、お前がこんな状態なのを、俺が放っておくと思うのか?」
「――――ッ」
「レイン」
「―――――」
「……………」

「―――――」
「……………」

「―――――」
「………ハァ」
「―――――」
「…ノワールの話を聞いていると、昼間の買い物帰りに寄った露店で何かがあったみたいだが…」
「――――!!!」
「――やはりそうなんだな?」
「うッ、うるせえッ!!何もねえっつーのッ!!」
「やっと反応があったと思ったら『うるさい』はないだろう」
「〜〜〜ッ!で・で・い・けッ!!!」
「断る――露店で何があった?」
「何もねえッ!!」
「あからさまに動揺しておいて、何もないはないだろう。わかりやすすぎる」
「〜〜〜〜〜〜〜ッ」
「レイン…このままの状態を続けるようであれば――」
「うるせえっつってんだろッ!!」

「襲うぞ」

「な―――ッ!?!?!?」
「身体に聞く」
「――ッ!!エロ親父みてえなこと言ってんなッ!!このボケッ!!!」
「ようやく出てきたな」
「―――ッ、」
「おっと、また潜るのはナシだ」
「ッ、かッ、返せッ!!」
「ちゃんと人の目を見て話せ」
「いちいちうるせえッ!!出てけーーッ!!」
「何度同じことを言わせる。出て行かないし、これ以上同じやりとりを続けるつもりなら――」

ギシッ

「―――――ッ!!!」
「レイン――」
「はッ、離せッ!!近寄んなッ!!!」
「―――――」
「ちょッ!!?マジかよッ!?やめッ!!」
「―――……」
「ッ、痛ェッ!!圧しかかんなッ!!恐ェよテメエ!!」
「……………」
「〜〜〜〜ッ、わ、わかった!!わかったッッ!!!」
「……レイン」
「話すッ!!話すからどけッ!!ベッドから降りろッ!!ってか離せーーーッ!!!」


「……そんなに嫌がらなくてもいいだろう。今更な――

ボフッ!!

――ぐッ!?」


「喋んなっつってんだろッ!!?」
「…枕を人の顔面に向かって投げるな」
「投げたくなるようなことを言うなッ!!」
「―――で?」
「―――ッ、」
「話してくれるんだろう?」
「脅しじゃねえか…ちくしょう」
「人聞きの悪い」
「事実だ」
「いいから、原因は?」
「―――――」
「……………」

「―――――」
「……………」

ギシッ

「っぎゃーーーッ!!?やめろって言ってんだろーーッ!!?」
「往生際の悪い。言わないお前が悪い」
「まッ、待てッ!!待てっての!!」
「待たない」
「〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
「自分から話したくなるように――」

「デッ、デザインッッ!!」

「―――?」
「露店で色々売ってて…ッ」
「…なんだ、無理に話さなくてもいいんだぞ?」
「――ッ、話さなきゃテメエ止んねーだろーがッ!!」
「む…」
「と、とにかくッ、シルバー系メインに色々手作りのモンが売ってて、」
「ああ」
「ノワールと一緒に見てて」
「ああ」
「結構いいデザインがあって――」
「ああ」
「――……」
「?」
「……………」
「レイン?」
「……好みのヤツ、いくつか手に取ったりも、して……」
「うん?」
「これ、似合うだろって…思って……」
「買ったのか?」
「……………」
「?」
「…着けた姿とか……想像、して……」
「想像?鏡はなかったのか?」
「……………」
「レイン?」
「………似合うって思った」
「良かったじゃないか」
「……………」
「似合ってたんなら買えば良かっただろう?露店売りのものなんて、そんなに高くもないだろう」
「……………」
「金がないわけでも…――って!?レイン、どうしたッ!?顔がさっきよりも赤いぞ!?」
「〜〜〜〜〜ッ!!!」
「やっぱり熱が――」
「――ッ、ね、ねぇよッ!!触んなッ!!」
「どうしたんだ?何をそんなに慌てる?」
「ッ、ちくしょうッ!!!なんなんだよッこの羞恥プレイ…ッ!!!」
「羞―ッ!!?」
「だから言うの嫌だったんだよッ!!思い出させんなッ!!!」
「何を言っ――」
「なんで俺がッ、お前のことなんかを…ッ」
「…レイン?」
「ありえねーだろッ!!?んなの俺じゃねーっつーのッ!!野朗に似合うアクセ見てッ、着けてるとこ想像して…ッ、
似合うとか、買ってやったら喜ぶんじゃねーかとかッ!!」
「―――ッ!!」
「そんなんッ、俺のキャラと違うだろッ!!うがーーッ!!思い出しただけでも腹立つッ!!!!」
「レイン――」
「うるさいッ!!テメエは喋んなよッ!?オラッ!!話したんだから離しやがれッ!!
重ェんだよッ!!筋肉デブッ!!どけッ!!!」
「レイン――それはお前が、俺に似合うアクセサリーを選んでくれていたと言う事か?…無意識に」
「言うなーーーッ!!!」
「そして、俺がそれを着けた姿を想像してくれて――」
「言うなっつってんだろッ!!!」
「――恥ずかしくなって逃げ帰って来たんだな?」
「はッ、恥ず…ッ!!?な、な、なッ、何言ってやがんだテメエッ!!」
「自然に当たり前のように、俺のことを考えてくれていた――と」
「ちッ、違ェよ!!この馬鹿ッ!!!」
「レイン――」
「――ッ!?ちょッ、ちょっと待てッ!!?お前ッ、な、何考えて――」
「――――」
「やめ…ッ、んーーーーーッ!!??」
「―――――」
「んんーーーーッ!!」
「―――――」
「んーーーーッ!!」
「―――――」
「――んッ、ふ、う…ッ」
「――――……」
「――――ぶはッ!!」
「―――レイン」
「テ、テメッ、この…ッ、」
「…最初に謝っておこう」
「ッ!?なッ、何――」
「止らない。すまない」
「――――ッ!?!?なッ、ば、馬鹿野朗ッ!?何する気だッ!!?」
「お前の想像通りだ」
「やめ…ッ、ちょッ、マジでッ!!?なんでッ!?俺話したじゃねーかッ!!!」
「理性を取り除くには充分な話しだったな。ありがとう」
「ありがとうって何だよッ!?意味わかんねーよッ!!離せよッ!!」
「無理だ」
「無理って何で――ひぁッ!!?」
「煽ったお前が悪い」
「ひッ、あッ、ちょッ、何、でッ!?煽ってなんか――ンあッ!!」
「お前は可愛いな」
「誰がだッ――あッ、く、」
「ありがとうレイン――」
「だからッ、何でだーーーーーーーッッッ!!!!???」







「おはようシャンタオ」
「あ、ナイヴスにーちゃんおはよ。もう少しで朝ごはん出来るよ〜」
「ありがとう。ああ、すまないんだが…軽く摘める物を別で用意してもらっていいだろうか?」
「へ?なんで?」
「いや…ちょっと、レインに――」
「なに、まだレインにーちゃん閉じこもってんのッ!!?結局夕飯も食べなかったみたいだしッ!!何様のつもりッ!?」
「あ、ああ、それなんだが…夜の残りは俺が食べるから…」
「甘やかす必要なんてないよッ!ちょっと僕行って起こしてくる!!」
「い、いや――、シャンタオッ!!それはいいッ!!!」
「?」
「レインは、その、体調不良らしい。多分、今日は起きてこれないと…」
「え?熱でもあんの?先生に診てもらう?」
「そ、それは、必要ない」
「??」
「俺が看ているから――…」
「風邪とかだったら移るよ?薬呑んで治るなら、早めに治しとかないと」
「と、とにかく、レインは大丈夫だ!今日一日、俺が様子を見ているッ」
「――――……」
「だから――」
「………ナイヴスにーちゃん」
「な、なんだ?」
「シーツ、ちゃんと自分で洗ってよ?」
「!!!!!」
「窓開けて、換気もしてよ?」
「――――ッ」
「飲まず食わずでだなんて、レインにーちゃんも大変だね」
「〜〜〜〜ッ!!!」
「後で先生に湿布薬出してくれるように言っておくから」
「〜〜〜ッ、シャ、シャン、タオ…ッ」
「ああ、あと、昨日のレインにーちゃんの機嫌が悪かった理由、ノワールねーちゃんに話す必要ないからね。
僕が誤魔化しとくから」

「………ッ、そ、その…ッ」
「あ、僕も聞きたくないから。うん、全くッ、これっぽちもねッ!!!」
「…………スミマセン」







「あ〜あ、シャンタオに私のセリフみんなとられちゃった」
「クリムソン…どうして私の耳を塞いでるの?」
「ああごめんね、ノワール。もういいよ」
「何かあったの?」
「君は気にしなくていいよ。それよりも朝ごはんを食べよう」
「う、うん…?そう言えばレインはあの後どうしたのかな?」
「レインなら大丈夫だよ。ナイヴスがついているみたいだからね」
「あの二人はいつも仲が良いね」
「はっはっは!全くだ!!いい迷惑だ!!!」
「?…二人が仲良しだと、クリムソンは迷惑なの?」
「ノワールには被害がないように頑張るからね」
「…被害?」
「こっちの話しだよ。さあ席に着こう」
「???」







「ちっくしょう…ッ!!ナイヴス…ッ!!!ぶッ殺スッ!!!!」






レインは強制的にベッドとお友達になりました(笑)
リクエストありがとうございました。少しでも気に入って頂ければ嬉しく思います(^▽^)




ブラウザバックでお戻り下さい。