K らいる
(はぁ…結局一睡も出来なかった…)
「ふわぁぁ〜〜…」
「!!」
「おう、起きたか。そろそろメシの時間だぞ」
「ん〜…あれ?何で俺、オッサンの布団で寝てんだ?」
「朝から人をオッサン呼ばわりか…」
「――ってか、配置変わってね?」
「お前が勝手に人の布団に入って寝たからだ」
「は?何で俺が―…ッ!!クリムソンの野朗ッ、また何かしやがったなッ!!?」
「こらこら、酔っ払って寝落ちしたのを人の所為にするな(実際薬は盛られてたがな)。」
「酔っ――?何で……―――ッ!!」
「…おはよう、レイン」
「―――……(フイッ)」
「――ッ、(視線を逸らされた…)」
「ゼクス、飯は何処で?」
「――ん?あ、ああ、夕飯食った所と同じ場所だ」
「んじゃ行こうぜ」
「レイン」
「――と、その前に顔洗ってくる」
「レイン…」
「タオルは、っと」
ぱたぱたぱた
「――――…」
「……………」
「まぁ、その、なんだ、落ち込むな」
「完全にシカトされてますね」
「おわッ!?起きてたのかッ!!?」
「というか、特に睡眠が必要ありませんので横になっていただけです」
「……………」
「意気消沈といったところですね」
「突っ込んでやるな」
「ツッコミもなしに放置の方が傷付きませんか?」
「そういう場合もあるといえばあるがな」
・
・
・
「おはようレイン」
「おう、寝れたか?」
「慣れない場所で緊張してしまって…レインも眠れなかった?」
「あ?なんでだ」
「目が赤いよ」
「紅いのは生まれつきだっつーの」
「え、いや、そうじゃなくて…」
「腹減ったな」
「あ、うん…(…話を逸らされた?)」
「ナイヴス、何をしてるんです」
「?」
「貴方がレインと余所余所しくなった所為で、レインがノワールと行動をするようになったじゃないですか」
「…ノワールもレインの様子がおかしいことに気付いているようだ」
「迷惑です。とっとと決着をつけてノワールから引き離してください。くっつこうがふられようが構いませんから」
「エル、お前なぁ」
「…迷惑だと言われたところで、レインが俺と視線すら合わせないようにしているんだ。話すどころではないだろう」
「まあそうですね。完全に視界に入れないようにしているようですし」
「ッ、」
「…エル、少しは加減してやれ。流石に気の毒だ」
「?本当のことを言っているだけです。原因を作ったのは自分だと理解しているのでしょう?」
「……ッ」
「朝からヤな空気だな。オイ、とりあえず食うぞ。冷めちまう」
「貴方は呑気で良いですね」
「お前…前から俺への辺りがきつすぎないか?」
「気のせいだと思うようにしてください」
「オイッ!!!」
「そういえば、クリムソンは?」
「あーまだ寝てたな」
「起こさなくていいのかな?」
「死にたかったら起こしに行けば?…あ〜、お前の場合は襲われるだけか」
「?」
「まあほっとけってことだ」
「う、うん」
バタバタバタバタ――ガラガラッ!!!
「ちょっと!!?みんな酷いよッ!私だけ置き去りなんてッ!!」
「お、噂をすれば」
「おはようクリムソン」
「やあノワール!今朝も可愛いねぇッ!!」
「それ以上近寄るな」
「貴方の席はあちらですよ」
「はあッ!?ノワールから一番遠い席じゃないかッ!!嫌だよ!レイン、換わりたまえッ!!」
「ヤダね。もう食ってるし。起きんの遅いテメエが悪い」
「だから、なんで起こしてくれなかったんだいッ!!?」
「お前、自分の寝起きの悪さ知らないのか?朝から流血沙汰なんてゴメンだぜ」
「自業自得でしょう。早く席に着いて下さい」
「ううッ、酷いよみんな…ッ!私だけ除け者扱いかい?」
「クリムソン、私、席換わろうか?」
「ノワールは優しいねえ。でも君と換わってしまったら、元も子もないんだよ」
「???」
「もういいですからさっさと座ってもらえませんか?鬱陶しいです」
「エル…君ねえ昨日から…。いいよ、早く食べてノワールとゆっくりするから」
「断る」
「何で君に断られなければならないんだいッ!!?黙っててくれないかなッ!食事がまずくなるッ!!」
「……」
「―――で、何でこんなに暗いのかな?空気が重いというか」
「あの二人の所為でしょう」
「あれ?仲直りしてないの??何やってるんだいナイヴスは」
「レインが起きてから、完全無視を決め込んでいるようです。相手にされてません」
「……そういう話は本人のいないところでやって貰えないか?」
「え〜?ご飯は楽しく食べたいだろう?君達の所為でどんよりとした食事になるのは迷惑だよ」
「―――ッ、」
「…レイン、ナイヴスと喧嘩したの?」
「ノワール、これ好きだろ。やる」
「え?あ、ありがとう。あの――」
「デザートもやるよ」
「えと、レイン――」
「そこの茶ァ取ってくれっか?」
「あ、うん…」
「ノワールが相手でも完全にスルーだな」
「打つ術もありませんね。ナイヴス、諦めたらどうです?どうせ非生産的ですし」
「なッ!!?」
「あはは、君はいつも直球だねえ」
「事実です」
「―――ッ、そ、それ、は…ッ」
「無理だろうねえ。だってナイヴスあれでしょ?」
「?」
「レイン相手に勃っちゃうんでしょ?男相手に勃っちゃうくらいなんだから、諦めようがないじゃないか」
「「「っぶーーーーーーッッッ!!!!」」」
「うわッ!!?ちょっと汚いよ君達ィッ!!!」
「見事に噴出しましたね。ノワール、貴方にはかかりませんでしたか?」
「「「ゲホッ、ゲホゲホッ!!」」」
「??う、うん、私は大丈夫、だけど…」
「ゲホッ、お、お前ッ!!朝っぱらから、ゴホッ、な、何言ってるんだッ!!!」
「ゴホッ、ゲホッ、ちょッ、ア、アンタって人は――ッ!!!」
「ゲホッ、ゲホゲホッ!!!!」
「レ、レイン…みんな、だ、大丈夫??えと、あの、立つって何が…???」
「あ〜、ノワール、その『立つ』じゃなくてー…」
「アーロンダイトッ!!!」
「アンドロマリウス」
ザシュッ!
ドスッ!!
グサッ!!!
「っぎゃーーーーーーーーーッッッ!!!!」
「ッ?!!??」
「ノワール、毒にもならん話を聞く必要はない」
「ノワール、食事はもう終わりましたか?」
「――う、うん…?えと、あとデザートを食べたら終わるかな…」
「俺の分もやろう」
「ありがとうソード、でもさっきレインからも貰ったし…あの、クリムソンが…」
「クリムソン?誰ですかそれは。そんな名前の変態がいたような気もしますが、過去の話です」
「えと、エル、あの…」
「食後に何か飲みますか?コーヒーでも貰ってきましょうか」
「あ、あの」
「ノワール、遠慮はするな」
「………う、うん…??」
「ゲホ…ッ、クソッ!!」
「へ、変なところに入ったぞッ!!ゲホッ!!」
「―――ケホッ、」
「―――ハッ!レ、レインッ、俺は――ッ、」
「………最低だなテメエ…ッ」
「――――ッ!!」
「ゲホッ、こら、ちょっと待てレイン、今のはクリムソンが勝手に言ったことだろう。
それでナイヴスを責めるのはいくらなんでも酷いんじゃないか?」
「―――チッ」
「レイン、俺の話を…」
「――ごちそうさまッ」
「レイン!?」
「オッサン、先に部屋に戻るからな。食欲ねぇし残り食っといて」
「レイン!!」
「オイ、話くらい聞い――」
ガラガラガラ――バタンッ!!
「――てやっても…って、聞く耳持たないってヤツか?」
「―――…レイン…」
「あー…その、だな、」
「………………」
「…どーしたもんだか。オイ、どうするんだクリムソン、お前の所為で余計に拗れたぞ」
「ち、血塗れの私を見て言うセリフがそれかい…?」
「自業自得だと言っているだろう。お前さんのそれは」
「私は事実を述べたまでだよ。ナイヴス、間違ってはいない筈だ。君はレインに触れたいんだろう?」
「この期に及んでまだ下ネタを突き進めようとしますか」
「止めを刺した方が世の為のようだな」
「あ〜俺は止めんぞ」
「ノワールは少しの間目を瞑っていてください」
「大丈夫だ。すぐに終わらせる」
「え、えと…」
「ちょッ!?私は真剣な話しをねッ!!?」
「問答無用」
「遺言があるのなら聞いてあげますよ」
「ノワール、お前さん先に部屋に戻ってろ。俺は後始末もせにゃならんだろうから残るが」
「だ、大丈夫?みんなどうしてそんなに殺気立って…?」
「あー、気にするな。ホラ、デザート手に持っていけるヤツだから部屋で食え」
「う、うん…?――あ…」
「ナイヴス…あの、大丈夫?」
「ノワール…」
「顔色が悪い」
「ああ、すまない。気にしないでくれ。君はゼクスの言うとおり先に部屋へ――」
「レインと早く仲直りしてね」
「――!…そう、だな。出来ればいいが…」
「ナイヴス…(とっても辛そう…)」
「…大丈夫だ」
「うん…、じゃあ、先に戻ってる」
「ああ」
カラカラカラ…・・・パタン
(ちょッ、ちょっと待ってッ!!)
(問答無用と言ったはずだ)
(貴方の存在がもう公害でしかないのです。排除します)
(酷ッ!!って、ッッあーーーーーーーーッ!!!)
(お前らほど程にしとけよ〜。あー…畳って一枚いくらすんだぁ?)
「……(聞かなかったことにしよう。うん)――あれ?あそこにいるの…レイン?」
「……………」
「(部屋に戻ったんじゃなかったんだ。でも――どうしよう…話しかけ辛い…)」
「……………」
「(レイン…なんだか泣きそう?でも…違う?…顔が赤いのかな?
後姿だからよくわからないけど…耳が真っ赤だ…)」
「……………」
「(そっとしておいた方がいいかな?)」
「……馬鹿野朗……」
「!(…ナイヴスのこと、かな?)」
「(早く仲直りできたらいいな…)」
続
來羅チャンに可哀想といわれるうちのナイヴス(笑)
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