ナイヴス×レインC 來羅



「風邪〜〜?ナイヴスが??」
「そう。熱も高いし、今も部屋で寝てるよ」
「…アイツも風邪なんか引くんだな」
「まぁ…言いたいことは解るけどね。というわけでレイン、この薬と、キッチンにシャンタオが作ってくれた
雑炊があるから、ナイヴスに持っていってくれるかな」

「はぁ?なんで俺が」
「君しか手が空いてないの!」
「ノワールは?っつーか風邪移ったらどうすんだよ。ムサイ男の風邪なんてもらいたくねーって。
アイツだって女に看病してもらった方が良いんじゃねーの??」

「君ね、ナイヴスの性格を考えてみなよ?風邪引いてる男の部屋に女の子を入れるわけがないだろう」
「……確かに」
「それに、今はレインが顔を出すのが、彼にとっての一番の特効薬になるんじゃないかな」
「あぁ?なんでだよ?」
「いい加減、君だって気付いてるんだろう?」
「…………るせぇな…」
「はい、そこ、嫌そうな顔しない!(流石に自覚はあるみたいだねぇ…)」
「…チッ」
「わかったらさっさと行った行った!」
「わぁったよ!」

バタン!

「ったく、お互いあんなに分かりやすく好意剥き出しなんだから、さっさとくっついてくれないと
ノワールを一人占めできないじゃないか」




+++++++



「おい、ナイヴス、生きてるか?」
「……レイン?」
「入るぞ」

「…どうしたんだ」
「ホラ、薬だとよ。あと飯」
「あぁ…すまない。…だが、あまり食欲が…」
「アホ!食わなきゃ薬飲めねーだろうが。無理にでも食え!じゃねぇと口ん中ぶち込むぞ!」
「……わかった」
「ったく、人に散々体調管理うんぬん言っておきながら自分がこの有り様じゃ説得力の欠片もねぇな」
「……そうだな」
「………。んだよ、調子狂うな」
「レイン」
「あ?」
「ありがとう」
「…何でだよ」
「心配してくれているんだろう?」
「なっ…!するかバカ!!」
「ククッ…」
「笑うな!!さっさと食って薬飲んで寝ろ!!」
「…行くのか?」
「当たり前だっつーの!何が悲しくてヤローの、つーかお前の飯食ってるとこ見てなきゃなんねーんだよ!」
「………そうか」
「……………っ」

「………」
「………」







「だぁぁ!分かったよ!飯食ってる間だけだからな!!」
「………」
「だから意味深な顔で笑うな!!」
「……大の大人の男が恥ずかしい話だが…」
「……あ?」
「風邪を引くと寂しがり屋になるという人の心理が分かった気がする」
「……んだよ、それ」
「気にするな」
「バカじゃねーの」
「そうだな」



「ごちそうさま」
「ん。食欲ねぇって言った割には全部食ってんじゃねぇか」
「ああ、思いの外食べやすくて。シャンタオに礼を言わないとな」
「んなのアトアト。さっさと寝ちまえよ」
「………」
「どうした?」
「…いや、やっぱり調子が悪いんだな。寒い」
「寒い?…あぁ…悪寒か。毛布持ってきてやろうか?」
「…いや、いい」
「はぁ?だって寒いんだろ?」
「………」
「遠慮すんなよ。言うこと聞いてやるのなんて今だけだからな」
「……毛布はいい」
「ふーん?」
「だが、言うことを聞いてくれるんだろう?」
「……内容による」
「レイン」
「なに―――のわっ!!?」
「……温かい」
「は、離せバカ!!いきなり何すんだよ!」
「暴れるな。布団が捲れて寒いだろう」
「なんでテメェと一緒に布団入んなきゃいけねぇんだよ!!」
「何でも言うこと聞いてくれるんだろう?」
「内容によるっつっただろうが!コレはアウトだ!!却下!!」
「無理だ。手が固まった。暫くは離れそうにない」
「なんだその理由!!〜〜ッ!!だああ!病人の力じゃねぇだろコレ!!!」
「お前の力が無さすぎるんだ。こんな細い身体して、襲われたらどうするんだ」
「ほっとけ!!つかおいっ!!身体まさぐんな!!!」
「じゃあコッチを向け」
「…ッ!ヤダ!ぜってぇイヤだ!!!」
「じゃあこのまま身体を触られ続けるのとコッチを向くのとどっちが良い?」
「2択かよッ!!解放はねぇのか!!」
「ない」
「ざけん…!やっ…!ヤメロ!!」
「どっちが良い?」
「だから…って、ちょっ…!服の中に手ぇ入れるな!!!」
「どうする」
「クソッ…!……ッ!………コレで良いんだろ!!!」
「よし」
「よしじゃねぇ!つか顔近ぇよ!!」
「……………」
「……………」
「……あったかい」
「そりゃ良かったな!コッチは不快指数MAXだっつの!」
「……睫毛長いな」
「聞けよ人の話!!」
「レイン」
「っ!」
「………」
「…こういう時にお前に名前呼ばれるとイヤな予感しかしねぇんだけど」
「………」
「ちょっ、待て、お前!キスすんなよ!!」
「何故だ」
「何故だじゃねーっだろッ!!お前、今までどさくさに紛れて何回かキスしたろ!!!」
「したな」
「冷静に答えるな!!」
「じゃあなんて答えれば良いんだ」
「そういうことじゃねー!!俺は男だ!!」
「知っている」
「ならおかしいって解るだろ!テメェ気持ち悪くねぇのか!!」
「気持ち悪い?」
「そうだよ!普通男同士でしねぇだろ!!気色わる――んんっ!!」
「…………」
「ん……んーっ!!」
「…………」
「ッ…んん」


「…………」
「…………」


「これが答えだが」
「〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」
「これ以上の答えを口に出せば良いのか?」
「〜〜〜〜〜〜っ」
「分かったら大人しくしていてくれ。これでも病人なんだ。結構辛い」
「……なら離せばいいじゃねぇか」
「それは無理だ」
「……くそっ」
「……………」
「…お前、熱い」
「…熱もあるからな」
「…………」
「…………」
「…風邪移ったらどうしてくれんだよ」
「…その時は、責任もって看病しよう」
「ぜってぇいらねぇ…」


「……寝ろ」
「……ん」


(クソッ…何で抵抗しきれねぇんだよ…訳わかんねぇ…)




++++++++

チュンチュン…



「ゲホッ!ゲホッゲホッ!!ゴホッ!!」
「おはようレイン」
「てめ…ナイヴス…!ゲホッゲホッ!!!」
「どうした?辛そうだな」
「………殺すッ!!!!!!」






らぶらぶ〜(*´艸`)




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